2008年12月26日
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玉川上水跡地としての放射5号線と遺構の謎

Written By: 川俣 晶連絡先

 甲州街道(国道20号線)と中央高速高井戸インターチェンジを結ぶ放射5号線は、玉川上水跡地を利用して建設されています。

 厳密に言うと、放射5号線は東京都道14号新宿国立線のバイパスであり、東八道路とも呼称されるようです。

 おおざっぱな位置を以下に示します。

遺構? §

 さて、この道路の歩道を歩いていると、何やら玉川上水関連の遺構っぽいものが目にとまることがあります。以下の写真は2008年11月20~21日に撮影したものです。

鉄柵 §

鉄柵

 いかにも、河川水路やその後によく見られるものです。こういうものを見ると、やはりここが玉川上水跡だったことが実感されます。

石柵 §

石柵

 石柵という呼び方で良いのか分かりませんが。車の通行を阻む石が立っています。これも、明らかに主要道路(バイパス)に接続する住宅地の道路としては不自然であり、過去に特殊事情があったことを伺わせます。

アスファルトに埋まった不自然な石 §

アスファルトに埋まった不自然な石

 よく見ると、突出はしていないものの、不自然な石が埋め込まれている光景もあります。主要道路に出る場所という位置関係から見ると、単なる車止めとも思えません。もしかして、過去には何かの役割を持っていた遺構?

謎? §

 これらは全て、放射5号線の北側歩道脇、下高井戸5丁目にあります。

 しかし、これらの場所に対応する南側歩道にはこのような遺構はあまり見られません。

 これに、「放射5号線は玉川上水の幅では足りず、大幅に拡幅されている」という状況を加味すると、以下のように解釈できます。

放射5号線は玉川上水の跡地を南側に拡幅して建設された結果として、北側には玉川上水時代の遺構が残る

 ところが、gooの重ね合わせ地図などを見て検討してみると、どうもそうではないことが分かってきました。拡幅されたのは南側だけでなく、北側にも幅を広げています。といいうことは、これらの鉄柵等は、玉川上水時代の遺構ではあり得ず、拡幅後に設置されたものとしか解釈できません。しかし、通常このような主要道路に接続する部分に、このような自動車の通行を妨げる柵を設置する理由は見あたりません。では、なぜこのような遺構(?)が残っているのでしょうか?

 これが「下高井戸5丁目・玉川上水遺構(?)の謎」です。

補足 §

 未解決の謎ばかり提示して何をしているのか……と思うか知れませんが。

 解決のヒントはどこで得られるか分からないので、ともかく提示できる謎は提示しておくのが得策と考えています。解決を急ぐ旅でもないし、謎は多い方が楽しいしね。

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